ツバメ給餌@横浜市港北区【動画あり】
この場所は2018年にツバメを観察に来たところです。相変わらずツバメ天国のようで、ちょうど巣立ち間近くらいの幼鳥がひしめく姿が目に入ったのでしばし観察しました。
もう巣が手狭になっていますが、4羽は元気よく親鳥がやってくると、鳴きながら大きな口を開けて餌をせがみます。
ツバメ給餌の様子を動画でどうぞ
親鳥は大変ですね〜。動画の53秒くらいのところ(ピンボケで恐縮です)で、幼鳥が一度巣より飛び出してしまいますが、すぐに戻ってきます。もう飛べるのですが、巣立ちまでは行かないようですね。数日で巣から出て親鳥と一緒に飛べるようになるでしょう。
親鳥は常に周りを気にしています。
ツバメの親鳥は雛に均等に餌を与えている?
この疑問は色々調べてみましたが、結論からしてどうやら均等に与えているようです。
親から見てポイントは「雛のアピール度」「雛の成長度」があると思います。一番アピール度が大きい雛に餌を与えていけば、基本的にはお腹の空いている雛に餌を与えていることになるのでしょうか?
たくさん食べた直後の雛は、お腹いっぱいなので、アピール度が低くなることも予想できます。これも親鳥から見て大きな判断ポイントでしょう。
常に覚えていて、順番に雛に餌を与えているとしたら、場所が入れ替わったりしても、雛の個体を認識できていることになります。
上の「写真A」では、一番右に居る個体が虫を食べています。映像を見ていると、この端の個体を目掛けて餌を持ってきたかにも見えます。また、一番上から2番目の「写真B」では、一番左に居る個体は口を開けていません。
親鳥は雛を個別に認識している?
仮に順番を位置で覚えていても、雛たちが移動して並び順が変わってしまったら無意味です。
しかも、ツバメは雌雄で給餌するので、仮に個体を識別していたとしても、雌雄で情報共有しなければなりません。となるとこれは、かなり高度なコミュニケーションが必要ですし、ひっきりなしに別々に飛び回って餌をゲットして来ている雌雄の親鳥を見ていると、情報共有している暇などなさそうです。
となると、個体識別よりも、その都度雛の様子を見て、一番お腹が減ってそうな雛を見極めているというのが有力でしょう。一番アピール度が高い雛=一番お腹が減っている雛、というシンプルな手法なのかも知れません。
なお、ツバメ以外の鳥の種類や状況によってこの行動には差があるようです。
こんな研究を発見しましたので参考までに
https://www.natureasia.com/ja-jp/research/highlight/10608
こちらの巣はもう巣立ちが終わって、役目を終えたようです。
ツバメ基本情報
- 名称:ツバメ 漢字:燕、玄鳥、乙鳥 英名:Barn swallow
- スズメ目ツバメ科ツバメ属
- 夏鳥(4月〜10月と考えると半年近くいる)
- 全長:17〜19cm
主な特徴
額の嘴近く、喉、胸が赤褐色。頭部から翼は光沢のある紺。身体の下部は白。尾羽に白斑がある。「チョチュチュチュ」と複雑に鳴き、最後に「ブィー」と鳴く。「土食って虫食って渋いー」という聞きなしは生態も表現されており、なかなかセンスがある。飛び回りながら、虫などを捕食し、水面スレスレを飛び水を飲む。渡りの時期は群れになる。
つがいごとに適度な距離を保ちつつ、民家や商店街のアーケード、駅内などに営巣する。これはあえて人の近くで営巣することで天敵のカラスなどから身を守るためと思われる。なので人からも愛され、市区町村のシンボルや、企業・スポーツチームなどのシンボルマークとしてしばし採用される。