ハイイロチュウヒ@横浜市緑区
ハイイロチュウヒが現れて一時、小山町(厳密には十日市場町と新治町も含まれる)の田んぼが盛り上がりました。写真を提供いただいたので、アップいたします。
ハイイロチュウヒ
まあ、この精悍な横顔。雄だったらテレビ局が取材に来るレベルです。
チュウヒ類は地面にいる獲物を狙うことが多く、このように地面に降りることが多いです。この辺りだとチョウゲンボウとかは田んぼに降りたりしています。
獲物を見つけると急旋回、急降下を良くします。しかし、この姿をみどりの鳥地区で見られるとは感銘です。
ハイイロチュウヒ雌?雌タイプ?
ハイイロチュウヒの雄は、一目見てわかる鮮やかなグレーと白、羽先の黒に虹彩の黄色がなんともカッコイイ猛禽人気ランキング上位ですが、こちらは雌です。とはいえ、下記のような情報もいただいております。
「メス成鳥」か「オス幼鳥」が正確に区別できなかったです。虹彩は淡黄色で、腹部の縦斑が目立たなく、警戒心が乏しく(すぐそばを飛び回り、バーダーの10m以内で食餌している)「オス幼鳥」である可能性も捨てきれません。
図鑑でもよく、雄の1〜2年目あたりの幼鳥と雌の判別は非常に難しいと書かれています。幼鳥初期は虹彩の色が、暗褐色とのことですが徐々に黄色くなるとのことで、この個体はバッチリ黄色です。
また、幼鳥は目の周りの白い部分が明白という記述もあり、この個体は比較的該当します。雌成鳥か幼鳥か?猛禽に詳しい方がご覧になられたら情報いただければ嬉しいです。
ハイイロチュウヒの顔盤
この辺りはモグラやネズミ、小鳥も確かに多いですが、バッタを捕らえている姿も提供いただきました。
背の高くなった草叢を食餌場にしつつ、周囲100Mを飛び回っていました。
ハイイロチュウヒの顔の周囲を囲む、褐色部分とその外側にある淡い部分が顔を引き立たせて、まるでフクロウの顔盤のようです。フクロウ同様に集音効果があるらしく、獲物の音を聞き分けているとの記述もありました。
顔盤も相まって、迫力ある顔つきです。かっこいいですねー。猛禽類の嘴の上には「蝋膜(ろうまく)」という部位があり、ハイイロチュウヒは黄色です。
このハイイロチュウヒは略して「ハイチュウ」というその姿に見合わないかわいい愛称がありますが、この「チュウヒ」という名前には曰くがあり、「ノスリ」と入れ違ったのでは無いか?という説があります。
確かにチュウヒ類の飛び方は「野を擦る」ように低空飛行で、ノスリの飛び方は「宙を舞う」ように飛び、ホバリングもします。しかしながらチュウヒも高く飛ぶこともあり、草原の上空を飛ぶ姿は「中位の位置を飛んでいる」ように見えます。ノスリはノスリで高い位置から低空を飛んで捕食することもあるので、なんとも言えません。
チュウヒとの見分けポイントとして、腰から上尾筒の白い部分がよく解説されています。このショットでもわかる通り、尾羽の付け根が白です。
2024年11月4日から7日(他観察者情報)にかけて滞在し、みどりの鳥地区を沸かせた珍客でした。
この投稿は情報提供者による写真と内容で構成しています。
情報提供者のサイトはこちら
https://hatabou.hatenablog.com/entry/2024/11/24/083037
ハイイロチュウヒ基本情報
- 名称:ハイイロチュウヒ 漢字:灰色沢鵟 英名:Hen harrier
- タカ目タカ科チュウヒ属
- 冬鳥(全国の田んぼや草原・葦原など局地的に飛来 みどりの鳥地区では超レア)
- 全長:雄43〜47cm 雌48〜55cm 翼開長:98〜124cm
主な特徴
雄は頭部から胸、背中にかけて灰色で名前の由来となっている。体下面は白で、翼の初列風切6枚は黒く目立ち、雄のカラーリングは特徴的でシャープな印象でカッコいい。虹彩は黄色で嘴は黒。蝋膜は薄黄色。脚は黄色で腰が白い。雌は全体的に褐色で、顔を縁取るように濃い褐色と薄褐色の顔盤がある。喉から胸、腹あたりまで縦斑(鷹斑)があり、腰から上尾筒は白。虹彩と脚は黄色。幼鳥は雌雄ともに成鳥雌のような褐色で、虹彩は暗褐色。雌成鳥と若鳥の区別が難しい。雄より雌の方が大きい。
主な行動
草原や田畑を低く飛び、ネズミや小鳥、両生類や昆虫類などを急降下して捕らえる。他のタカ類と違い、地面に降りることが多く、早朝夕方に狩りをし、ねぐらも葦原。「ピョウ」と鳴くが繁殖期以外はほとんど鳴かない。飛行能力は高く、クイックターンを繰り返しながら地面近くを飛ぶ姿は「ノスリ」の名の方が相応しく、また「チュウヒ」の名前も実際のノスリの飛び方に合っていることから、両者の名前は入れ替わったのではないか?という説がある。