モズの高鳴き@縄張りの範囲はどれくらいなのか?

モズの縄張りの範囲はどれくらいなのかな?と前から思っていたのですが、この時期じゃ此処彼処で高鳴きが見られるので、ちょっとだけ調べて見る事にしました。
ちなみにこのエントリーは他のエントリー(撮影日と投稿日が同じ)とは違い、写真は別の日に撮影したものも入っています。この時期ならではの投稿としてお楽しみください。

モズの高鳴きって?
モズの高鳴きを簡単に説明すると、秋になると枝先や電柱の先っぽなど目立つところで「ギギギギ!」や「キィーキィー!」と行った複雑で奇妙な鳴き声を発し、オスメス関わらず自分の縄張りを1個体単位で作ります。大きな声で目立つ場所で鳴くので、この季節の田畑の風物詩となっています。

そしてマイフィールドである恩田川・小山町近辺の田畑で、個体が別のものであって、高鳴きしていたモズの場所をプロットして見ました。
高鳴きしていた場所を中心に4個体をABCDで表し、赤が直径100m、青が200m、緑が300mです。私は自転車で移動しながらこの場所でそれぞれモズの個体を観察して行ったので、同じ個体である可能性は極めて低いと思われます。特にCとDはほぼ同時に観察しました。
AとBは近いですが、ほぼ中心から300m〜400m離れています。またAではちょうど他の個体が縄張り内に侵入したらしく、激しく鳴きあっていました。この時期は完全に縄張りが確定しているわけでは無いことも推測されます。

AとBの関係からは縄張りが300m以上は離れていることが分かります。ただ、高鳴きしている場所は縄張りの中の中心なのか、端っこなのかは分からないので、あくまでもこの観察からわかる範囲の出来事とお考えください。
そしてBとCの距離はおよそ500mくらい離れています。この間に高鳴きしている個体は見なかったので、500mくらい離れていると安全圏というか、干渉しない距離なのではないかと思われます。
そしてCとDは、ほぼ同時に高鳴きを観察しました。距離にして150mくらいしか離れていません。これがまだ縄張りの形成中であれば、「近いよ!」と言い合っているのか分かりませんが、縄張りの端っこと端っこという見方をすれば、この距離が近接の許容範囲?なのではないか?とも推測されます。

上の写真は今シーズン高鳴きを初めて目撃した時の写真です。目撃した時なので、もっと早くから実際には鳴き始めているでしょう。
なんとなくですが、モズの縄張りの範囲は、400〜500mくらいなのでは?と思いました(この地域では)。もちろん、縄張りは必ずしも円ではなく餌をよく確保できる場所を数カ所?各個体が回っていると考えられます。
縄張りは争うためではなく、共存の為と言われています。生きるためにモズは縄張りを作って、みんなで厳しい冬をしのごうよという知恵だそうです。餌が豊富にありそうな今回の観察地域では、秋が深まるにつれ今後縄張りの密度が上がっていくのでしょうか?
高鳴きをしている時にしか分からないなと思ったので、このような投稿になりました。