アオゲラ@ドラミング【動画あり】
野鳥は繁殖シーズン真っ只中といったこの時期ですが、アオゲラのドラミングを動画で撮れたので詳しくご紹介します!
アオゲラドラミング動画でどうぞ
まずは全編ですが、動かなかったので結構長めに撮れました。動画の概要欄にインデックスも付けたので、そちらはYouTubeで見てみてください。後半は雄叫び「ピョー!」も収録(別日を編集で1本に)しています。場所は横浜市青葉区寺家ふるさと村です。
アオゲラのドラミングは1秒間に20回以上?
せっかく動画で撮れたので、スローにして何回叩いているのか?検証してみました。下の動画はドラミングのところから始まります。
まずは、動画の16秒くらいから始まるドラミングについて編集ソフトの画面で確認してみました。
黄色の枠で囲まれているところがドラミングをしているところです。スローのところを見ると分かるのですが、なんとドラミングが早すぎて音声がこちらに届くまでのタイムラグが発生しています。なので映像と音がずれてしまっているのです!!
黄色の枠は1秒23フレームです。この動画は1秒間60フレームなので、約1.4秒。その間に音声の波形データを見ると23回つついています!
現実には音と映像のずれが12フレームほどあったので、実質叩いてる時間は、1秒11フレーム=約1.2秒で23回。波形をよく調べると、16秒13フレームから17秒10フレームの間で20回叩けていました。
やはり1秒20回が程よいのではないでしょうか??
動画内2回目のドラミングも秒間20回?
下の動画は2回目のドラミングのところから始まります。
動画全編で言うと、33秒くらいのところからのドラミングとその後スロー再生です。
こちらのドラミング中の時間は1秒8フレーム。またもや映像と音がずれているので、音の時間だけを見ると10フレームほど短縮されます。つまり実際に叩いている時間は1秒を切っていると思われます。
波形を見ると今回は19回ヤマがあるので、19回叩いたと思われますが、スロー映像を見ると20回叩いているように見えますね…。これは私の波形の切り出し部分のミスでしょうか??いずれにせよ音と映像の遅延もあるのでもっと正確に編集して調べる必要があるかもです。
が、とにかく20回は1秒間で叩けていることは間違いなさそうです。
高橋名人が16連打なので一歩及ばずですね。
ちなみにアオゲラのドラミングとアカゲラのドラミングの区別は、音だけではほぼできないらしいので、アカゲラも1秒20回くらいなのかなと予想できます。
YouTubeにもスロー再生機能があるのでじっくり見てみてください。
ドラミングはなぜする?
ドラミングは「縄張り宣言」と言われています。なので繁殖期によく聞くことができます。縄張り宣言は、野鳥がお互い不要な争いを避けて効率よく生きるための作戦です。
ドラミングを見ているとショートストロークで木からの反動を利用しているように見えます。また、スローを見ると胸部から身体下部も動いていることから、首だけで叩いているわけでもなく体のどこか「支点」を利用してそうです。
ドラムを叩いている人に聞くと、力任せに手で高速で叩くのには限界があり、太鼓の膜からの反動(リバウンド)を利用して高速で叩くとのこと。マスターすると力を使わずに楽に高速で叩き続けることが出来るらしいです。アオゲラがどこまでそれを利用しているか分かりませんが…。
舌が脳へのショックを吸収
一方で木からの反動があるということはでアオゲラの頭への衝撃も強いのですが、それは他の方のサイトでもよく説明されていて、長い舌が頭を取り囲むように収納されていて、ショックアブソーバーの代わりになっているとのこと。また頭蓋骨も隙間なく脳を囲んでいて脳震盪に強いのだそうです。
動画の途中には、他のアオゲラが「ピョーッ」と鳴く声に反応しているシーンがあります。ピョーッは鳴き声ですが、繁殖期には枝の高いところで鳴くアオゲラを見かけます。また雌雄でお互いの位置を確認しているかのように呼び合っているようにも聞こえます。
皆様もドラミングを聴いたらスマホなどで録音してスロー再生してみてはいかがでしょうか?
アオゲラの基本情報
- 漢字:緑啄木鳥 英名:Japanese Green Woodpecker
- キツツキ目キツツキ科アオゲラ属
- 留鳥(本州を中心に一部離島の平地から山地)
- 全長:29cm 翼開長:49cm
主な特徴
雄は額から頭、後頭部にかけてモヒカン状に赤い。また、顎線も赤い。雌は頭の一部が赤く、雄に比べると赤い範囲が明らかに小さいことで見分けがつく。体の上面は緑褐色で、名前の由来(青は古語で緑を指す)となっている。腹部から下尾筒にかけてU字状の黒斑がある。「ピョーピョーピョー」「キョキョ」「ケレ、ケレレ」などと鳴く。かなり大きな音でドラミングをする。