イワツバメの巣
イワツバメはツバメより一足早く日本にやってきます。みどりの鳥地区でも、確かに一歩早くイワツバメ が到着している印象があります。そして、河川を中心に営巣が確認されています。
イワツバメの巣は集合住宅?
集団で生活するイワツバメは営巣も至近距離で行います。結果、巣がくっついてしまうケースがまま有ります。ツバメがファミリー単位である程度離れて巣を作るのに比べて対照的です。
こちらの写真(2020年4月25日撮影)は谷本川(鶴見川)の下流で確認されたものですが、どうやらもうこの場所での営巣はしていないようです。ただ崩れつつある巣跡はたくさん有りまして、栄枯盛衰が見て取れます。
ちなみに恩田川では、毎年営巣(みどりの鳥として観察がスタートして以来)が確認できています。この、営巣場所を手放す理由というのが、定かでは有りませんが、ちょっと推測してみたいと思います。
毎年営巣する場所と営巣しなくなった場所の違いは?
ツバメはカラスに一度襲われたりした場所を翌年から営巣しないという事例が有ります。これはある意味賢いというか、もう「あの場所は危険」だと記憶しているわけですが、イワツバメにもそれが当てはまるのでしょうか?
谷本川は橋の下を人道や自転車用の道路が立体的にくぐれる所が多く、ジョギングやサイクリングをする人には便利な構造になっています。ゆえ、近くに人が近づけます。
イワツバメは元々自然の岩壁に巣を作るので、イワツバメと命名されたようですが、近年では人工物、特にコンクリートに作られることがほとんどだそうで、イワツバメが作る巣材の泥がコンクリートにくっつきやすいという仮定は出来そうです。
事実、最低でも3年は経過した巣がいまだに完全に崩れずに残っています。人間が作った物に巣を作るイワツバメは、人間の活動が少なからず影響するでしょう。
横浜市の北部(特に鶴見川沿い)では高速道路の開通が相次いでいます。トンネル工事も多いですが、港北区などでは高架による大きな建築物は間違いなく増えました。これが、イワツバメの営巣場所に影響しているかどうかは不明ですが、今後も観察してみたいと思います。
こちらは谷本川(鶴見川)のかなり上流(と言っても青葉区)で撮影したものです(2020年4月4日撮影)。やはり営巣の跡が確認できます。そして、周りをイワツバメ が飛び交っていることも確認できているので、今後営巣し始めるかもしれません。
どの営巣場所も、位置的にカラスなどが襲うことは可能ですが、いわゆる猫や狸、ハクビシンと言った動物が近づくのは容易ではない場所に作られています。
営巣場所を放棄する理由はきっと、「その場所が危険だから」が第一の理由かと思いますが、もう一つは「もっといい場所が見つかった」からという推測もあり得ると思いました。
営巣にはたくさんの食糧が必要なので、その辺りの要素も考える必要があります。ただ、近隣の田畑の状況は大きく変化(徐々に緑地が減っているのは確か)していない気がするので、主たる餌となる昆虫が少ない、多いと言った状況までは分かりません。徐々に緑地が減っているのは事実です。
引き続き、気がついた点があったらまた記録していきたいと思います。ちなみにこのエントリーはあくまでも観察者の一部事実に基づいた仮説と推察であります。
イワツバメ
- イワツバメ 漢字:岩燕 英名:Asisn House Martin(総称?Delichon)
- スズメ目ツバメ科イワツバメ属
- 夏鳥(一部では越冬する)
- 全長:13cm
- 特徴:腰が白い。ツバメに比べて尾が短く凹尾。脚が白い。
参考
http://www.biodic.go.jp/reports/4-03/e125.html